判例・事例

派遣労働者と労災

2012年4月28日 労働災害に関する事例・判例


1 派遣労働者は、派遣元企業に雇用されながら派遣先の指揮命令に従って仕事をするわけですが、労務に起因した事故が発生すれば労災になります。

たとえ派遣元が労災を認めない場合でも、労働基準監督署の調査で労務に起因することが認められれば労災が認定され、労働者は傷病給付や休業補償を受けることができます。

2 注意をしなければならないのは、事故が発生すると、労災だけでなく派遣先の損害賠償責任も問題になるということです。派遣労働者を直接指揮命令して就業させるのは、派遣先企業だからです。

直接の雇用関係がないからといって、派遣先企業は派遣労働者に対する安全配慮義務を免れるわけではありません。雇用関係がなくとも、指揮命令など「特別な社会的接触関係」に入ったと認められる場合には、派遣先企業は派遣労働者に対して、信義則上安全配慮義務を負うことになり、労災補償給付で賄われない損害については別途損害賠償義務を負うことになりかねません。

労災補償義務は派遣元に、民事上の安全配慮義務は派遣先に、というように「補償と賠償」の分離といわれる状態になるわけです。

3 派遣労働者を導入するときには、以上のことをよく踏まえて安全管理等を行うようにしましょう。

派遣労働者と労災

1 派遣労働者は、派遣元企業に雇用されながら派遣先の指揮命令に従って仕事をするわけですが、労務に起因した事故が発生すれば労災になります。

たとえ派遣元が労災を認めない場合でも、労働基準監督署の調査で労務に起因することが認められれば労災が認定され、労働者は傷病給付や休業補償を受けることができます。

2 注意をしなければならないのは、事故が発生すると、労災だけでなく派遣先の損害賠償責任も問題になるということです。派遣労働者を直接指揮命令して就業させるのは、派遣先企業だからです。

直接の雇用関係がないからといって、派遣先企業は派遣労働者に対する安全配慮義務を免れるわけではありません。雇用関係がなくとも、指揮命令など「特別な社会的接触関係」に入ったと認められる場合には、派遣先企業は派遣労働者に対して、信義則上安全配慮義務を負うことになり、労災補償給付で賄われない損害については別途損害賠償義務を負うことになりかねません。

労災補償義務は派遣元に、民事上の安全配慮義務は派遣先に、というように「補償と賠償」の分離といわれる状態になるわけです。

3 派遣労働者を導入するときには、以上のことをよく踏まえて安全管理等を行うようにしましょう。


【補償と賠償の分離】

補償と賠償の分離

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