有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換について
2016年4月28日 労働条件に関する事例・判例
1 飲食業を営んでいる会社を中心に従業員を期間の定めのある形で雇用されている経営者の方は非常に多いのではないでしょうか。平成25年4月1日より労働契約法第18条が施行され、「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換」制度が導入されました。従前は期間の定めのある有期の労働契約が、期間の定めのない無期の労働契約に転換されるという制度です。雇用管理上注目すべき制度ですが、主なポイントは以下のとおりです。
2 要件:次の①②③が満たされた場合に、期間の定めのない契約に転換されます。
①同一の使用者との間で締結された2つ以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間(通算契約期間)が5年を超えること
→労働契約が更新されていることが必要
→契約期間が5年を超えておればよく、実際に5年経過している必要はない
②現に締結している労働契約の契約期間が満了するまでの間に
③有期労働者が、無期労働契約締結の申し込みをしたこと
3 無期転換後の労働条件
無期転換後の労働条件は、転換前の有期契約の労働条件と同一内容となります。
4 有期雇用労働者特別措置法
以上のような無期転換制度についても一定の例外があり、特例により無期転換権が発生しない労働者が規定されています。
その労働者とは
①一定の期間内に完了することが予定されている業務につく専門的知識を有する有期雇用労働者(高度専門労働者:年収が1075万円以上の従業員に限定されます)
②定年後引き続き雇用される有期雇用労働者
とされていますが、それぞれ計画を策定して厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
5 以上が無期転換制度の概要です。具体的な対応策等については、紙面の関係上ご紹介できませんが、無期転換制度については、今後当事務所でのセミナーの中でご紹介する機会を設ける予定ですので、その折は是非ご参加ください。