判例・事例

改正特定商取引法が施行されました

2022年7月1日 その他


令和4年6月1日から、改正特定商取引法が一部の規定を除き施行されました。
今回は、改正された主な内容についてご紹介いたします。

1 特定商取引法(以下「特商法」といいます。)の改正内容概要

・通販の「詐欺的な定期購入商法」対策【令和4年6月1日施行】
・送り付け商法対策【令和3年7月6日に施行済み】
・消費者利益の擁護増進のための規定の整備【一部を除き令和4年6月1日施行】

以下では、令和4年6月1日に施行された内容を中心にご紹介いたします。

2 通販の「詐欺的な定期購入商法」対策について

(1)定期購入でないと誤認させる表示等に対する直罰化
販売業者等は、通信販売等に係る契約の申込を受ける場合には、当該申込書面又は画面に、①商品の分量、②対価、③対価の支払時期及び方法、④引渡・提供時期、⑤商品の契約申込期間についての定めがある場合にはその旨及び内容、⑥契約の申込みの撤回又は解除に関する事項等を記載しなければならないことになりました。
その際、販売事業者等は当該申込書面又は画面で、人を誤認させるような表示は禁止されています。具体的には、例えば、申込みのはがきに「無料プレゼント」等の文言を強調し、有償の契約の申込みであることが分かりにくいものや、定期購入であること及びその具体的内容の表示については「プレゼント」等の文字から離れた箇所に小さな文字でしか記載していないものが挙げられます。
このように人に誤認させるような表示をし、違反した場合には罰則の対象となることが定められました。

(2)誤認させるような表示によって申込みをした場合に申込みの取消を認める制度の創設
販売事業者等が、必要な表示をしなかったり、不当な表示をしたこと等により、上記(1)の契約の申込者が誤認をして申込みをしてしまった場合には、その申込みの意思表示を取り消すことができる旨が規定されました。

(3)通信販売の契約の解除の妨害に当たる行為の禁止
販売業者等は、通信販売の契約の申込みの撤回又は解除を妨げるため、当該契約の申込みの撤回若しくは解除に関する事項又は契約の締結を必要とする事情に関する事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならないと規定が設けられました。例えば、事実に反して「定期購入契約になっているので、残りの分の代金を支払わなければ解約はできない。」などと告げる行為です。

(4)上記の誤認させる表示や解除の妨害等を適格消費者団体の差止請求の対象に追加
消費者契約法において内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が、通信販売等において、販売業者等が上記(1)の誤認させるような表示や上記(3)における不実告知の行為につき、それらの行為の差止めや予防に必要な措置をとることなどの請求ができる規定が設けられました。

3 消費利益の擁護増進のための規定の整備について

(1)消費者からのクーリング・オフの通知
消費者からのクーリング・オフ通知について、書面だけではなく電磁的方法で行うことも可能になりました。具体的には電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体や事業者が自社のウエブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォーム等により通知を行う場合や、FAXが挙げられます。
事業者は、合理的に可能な範囲で電磁的記録による通知の方法に対応する必要があり、事業者において一方的に通知の方法を不合理なものに限定すること(例えば、電子メールでアポイントを取るような訪問販売においてクーリング・オフを書面のみに限定し、電子メールによる通知を受け付けない場合)は、クーリング・オフの方法を制限する消費者に不利な特約に該当し、無効になる可能性があります。
また、消費者が電磁的記録を発したかどうか、また、どの時点でそれを発したかに関する紛争を予防するため、事業者は、電磁的記録によるクーリング・オフを受けた場合、消費者に対し、クーリング・オフを受け付けた旨について電子メール等で連絡することが望ましいです。

(2)業者が交付しなければならない契約書面等について【公布の日から起算して2年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行予定】
事業者が交付しなければならない契約書面等について、消費者の承諾を得て、電磁的方法で行うことが可能になる規定が設けられました。

(3)外国執行当局に対する情報提供制度の創設
国際化の進展に伴い、国境を越えた執行協力を行う必要性が想定されることから、主務大臣が外国当局に対して情報の提供を行うことができる旨が規定されました。

(4)行政処分の強化等
訪問販売を行う法人の役員等及び個人事業者に対する業務禁止命令について、対象となる役員等の範囲が拡大され、業務停止命令について新たに規定が追加されました。また、立入検査を行うことができる対象が拡大されました。

4 送り付け商法対策【令和3年7月6日に施行済み】
売買契約に基づかないで送付された商品について、従来は消費者が14日間保管後処分等が可能でしたが、改正によって直ちに処分等をすることが可能になりました。

5 コメント
今回の改正によって、インターネット通販やサブスクリプションサービス等を行っている事業者は、ネット等での申込み最終確認画面において分量等の契約事項を表示することが必要となりました。また、消費者のクーリング・オフの通知が電磁的方法によっても行うことが可能となり、これに対する事業者の対応が必要となります。
契約の際の表示事項や、クーリング・オフ対応についてお困りの際には是非当事務所までご相談ください。
                                               以上

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