判例・事例

離婚について

2012年12月6日 離婚


1 報道されていた著名人の離婚裁判

 先日、著名人の離婚裁判が報道されていました。
 当事者のプライバシーに配慮したためか判決内容自体簡略なもの
であったため、裁判所が離婚の成立を認めた詳しい理由は報道され
ていませんでしたが、裁判を起こして離婚するためには、法律で定
められた離婚原因があるということを裁判所に認めてもらわなけれ
ばなりません。

2 離婚するにはどういった方法があるか

 不倫やDVなど、夫婦関係に何らかの問題が生じて、いざ離婚を
決意したときにまず何をすればよいのか、具体的なケースによって
様々ですが、今回は、制度上、離婚するにはどういった方法がある
のかという基本的なところをご説明したいと思います。

(1) 協議離婚

 日本では、離婚の方法として、協議離婚、調停離婚、裁判離婚という
3つの方法があります(その他に、調停が不成立となったときに、
審判離婚となる場合がありますが、ほとんど利用されていません。)。
 協議離婚は、夫婦の話し合いで、離婚することを合意し、離婚届に
ハンコを押して役所に届け出れば離婚が成立します。離婚自体はこれ
だけで成立するのですが、未成年の子がいる場合に親権者をどちらに
するかということや、養育費、夫婦共有財産の分与等、離婚の際にい
くつか話し合って決めておきたい事項があります。

(2) 調停離婚

 夫婦間の話し合いがうまくいかないとき、例えば、夫婦の一方が離婚
自体に応じないとか、離婚はするけれども子の親権者をどちらにするか
ということで話がまとまらないというとき、家庭裁判所に離婚調停の申し
立てをすることができます。
 離婚調停というのは、2名の調停委員を介して、夫婦の話し合いを促す
制度です。
 あくまで夫婦の話し合いを促すだけのものですが、調停員という第三者
を介することで、案外お互いに冷静になって、話がまとまることも多いのです。
 調停では、家庭裁判所内の調停室というところに夫婦が交互に入って、
調停員に自分の意見を述べたり、相手の意見を伝え聞いたりしながら、
進めていきます。

(3) 裁判離婚

 離婚調停をしても、やはり話がまとまらないという場合は、いよいよ離婚
の裁判を家庭裁判所に提起することになります。
 ちなみに、日本の法律では、いきなり離婚裁判を起こすことはできず、
離婚裁判の前に、まずは離婚調停の申し立てをしなければならないルールに
なっています。
 離婚裁判では、冒頭で申しあげた、法律で定められた離婚原因があるかどうか
が争われます。よく争いになるのが「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるか
どうかです。今回はこの点に関する詳しい説明には立ち入りませんが、調停のとき
の話し合いとは異なり、正式な裁判ですので、夫婦双方がお互いの主張を裏付ける
証拠を出し合い、また、証人尋問の手続も行います。自然、相手を攻撃するような
内容の主張も出てくることになり、双方ともにかなり精神的な負担がかかる上に、
裁判は公開の法廷で行われるため、世間の目にもさらされます。
 裁判まで進む場合、お互いに相応の痛みを伴うことになるケースが多いと思い
ますが、破たんした夫婦関係から解放されて、別々の人生を新たにスタートさせ
るためには、やはりけじめとして裁判で決着をつける必要があるというケースも
あります。
 離婚についてお悩みの方は、精神的なご負担を軽減するという意味でも、
裁判に向けてきちんとした準備をするという意味でも、一度法律の専門家である
弁護士にご相談いただければと思います。

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