判例・事例

非正規社員の処遇格差問題 最高裁判決へ

2018年3月3日 賃金に関する事例・判例


正規社員と非正規社員の間の格差を問題にする判決が続いている。
 2月21日には、大阪地裁で日本郵便の契約社員について、手当のうち、年末年始の繁忙期手当、住宅手当、扶養手当について、正社員にのみ支給するのはそれぞれの手当の目的、性格に照らして不合理とする判決が出された。一方で、同判決は、賞与については、差異をもうけることに一定の合理性があるとしている。
 昨年9月に東京地裁で出された、同じく日本郵便の契約社員に関する判決では、年末年始の繁忙期手当は8割の限度で、住宅手当については6割の限度で損害賠償責任を認めていたが、大阪地裁判決は、全額の損害賠償責任を認めており、判断が分かれた。
 そろそろ、最高裁で判断の統一を図る時期になってきたが、おそらく、先陣を切って最高裁に上告されているハマキョウレックス事件について、弁論が開かれたのちに判決が言い渡されることになるだろう。小法廷の判決なので、どこまで踏み込んだ判決になるかはわからないが、初夏には判決が出されると思われるので注視したい。
(吉田肇)

PAGE TOP