第110回労働問題研究会(弁護士社労士勉強会)振り返り
2024年10月24日 お知らせ
10月16日に開催された第110回労働問題研究会の振り返りをお届けいたします。
【弁護士による判例報告とディスカッション】
傷病休暇中になされた面談において退職勧奨が実施され、面談の2日後に原告が作成・提出した退職願にかかる退職の意思表示の有効性が争われた裁判例を報告しました。本裁判例では、傷病休暇中であり、精神状態に顕著な回復が見られない時期に面談が行われたこと、原告が一貫して復職希望を表明していたにもかかわらず、上長から休暇延長や休職という(退職以外に取り得る)選択肢を明示的に示されることもなく、復職の困難性や退職を示唆されたこと等を受けて退職願を作成・提出しており、これらは原告の自由な意思に基づくものではないと判断され、退職の意思表示の効力が否定されました。
グループディスカッションでは、本裁判例の事案においてどのように対応すべきであったかとの点を検証しました。また、退職勧奨の手段・態様について、実際の対応例や注意すべきポイントなどが共有され、大いに盛り上がる議論となりました。
【労働相談持ち寄りコーナー】
採用した従業員の能力が、履歴書・職務経歴書に書かれている内容にはほど遠い場合の対応策・退職した従業員の新しい勤務先から、当該従業員の以前の勤務状況を聞かれた場合の対応について議論を行い、実務上の経験談を踏まえた具体的な方策が共有されました。
【次回(12/20)は特別企画会です】
12月は特別企画会として弊所所長による「産業保健法」についての勉強会を開催(Zoom開催)します。
「産業保健の現状と課題~私たちに求められること、できること」
現在の産業保健は、メンタルヘルス不調者の増加、女性や高齢者の職場進出に伴う健康と安全の課題、IoT,AI等技術革新に伴う働き方の変化、仕事と治療の両立、障害者雇用、フリーランスの健康と安全等、労働安全衛生法が制定された当時は予想もされていなかった様々な課題を抱えています。
そうした中で、これからの産業保健はどうあるべきか、労働行政の動向と私たち産業保健にかかわる者に求められること、できることは何かを考えたいと思います。
本会に興味をお持ちの社会保険労務士等の方がいらっしゃいましたら、随時会員募集中ですので、
当ホームページのお問い合せフォームよりお気軽にご連絡ください。
皆さまのご参加お待ちしております。