判例・事例紹介
多様な人材が安全・安心に働ける環境の整備~労働安全衛生法改正~
令和7年5月14日に労働安全衛生法が改正され、段階的に施行がされています。
今回令和8年4月1日から施行される主な改正内容のポイントをご紹介します。
1 個人事業者等の安全衛生対策の推進
・混在作業における安全管理の対象拡大
建設業などの特定元方事業者が選任する「統括安全衛生責任者」や、各行受の元方事業者が行うべき連絡調整の対象が、自社の労働者だけでなく、個人事業者等を含む作業従事者に拡大されました。
・機械・建築物貸与者の措置
政令で定められた機械等または建築物を他の事業者に貸与する者が災害防止のために講ずべき措置について、個人事業者等に対して貸与する場合にも当該措置を講ずることとされました。
2 化学物質による健康障害防止対策等の推進
営業秘密の保持と安全性情報の伝達を両立させる仕組みが導入されます。
・営業秘密である成分に係る代替化学品名等の通知
安全データシート(SDS)について、化学物質の成分名に企業の営業秘密情報が含まれる場合においては、有害性が相対的に低い化学物質に限り、通知事項のうち成分名について、代替化学名等(※)での通知が認められることになりました。
※代替化学名:当該成分の化学名における成分の構造または構成要素を表す文字の一部を省略・置き換えた化学名を言いますが、詳細な代替化学名等の表示方法は国が指針を定める予定です。
・医師への情報開示義務
代替名で通知している場合でも、医師が診断や治療のために成分名の開示を求めた場合は、直ちに開示しなければなりません。
3 機械等による労働災害防止の促進
危険な作業を必要とする特定機械等(ボイラー、クレーンなど)に対して義務付けられている製造許可や製造時等検査などの制度について、
①製造許可申請の審査のうち、特定機械等の設計が構造規格に適合しているかの審査について、登録を受けた民間機関が行うことが可能となりました。
②製造時等検査の対象となる機械のうち、移動式クレーン及びゴンドラについても登録を受けた民間機関が検査を行うことが可能となります。あわせて、特定機械等の製造時等検査・性能検査や、個別検定・型式検定について基準を定め、登録機関がこの基準に従って検査・検定を行わなければならないこととされました。
4 高年齢労働者の労働災害防止の推進
・事業者の努力義務
事象者は、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善や作業管理などの措置を講ずるよう努めなければなりません。
・国の指針策定
事業者が講ずべき措置の適切かる有効な実施を図るための指針が国で定められます。
以上
