読み込み中
NOW LOADING

弁護士法人天満法律事務所

TEL.

06-6365-7560
業務時間:平日9時30分~午後5時30分

弁護士法人天満法律事務所

労働問題・労働事件、使用者のための法律相談のプロフェッショナル

判例・事例紹介




    

介護休業等の制度における常時介護を必要とする状態に関する判断基準が見直されました!

2025年4月11日

育児・介護休業法(以下「法」といいます。)に関する「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」が見直され、厚生労働省は法に関する通達を改正しました。新たな判断基準は令和7年4月1日から適用されます。今回は改正通達内容のポイントについてご紹介いたします。

 

1 介護休業等の対象となる「要介護状態」とは
法の介護休業等の対象となる「要介護状態」とは、
「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の傷害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」
とされています。

 

2 「常時介護を必要とする状態」とは
(1) 改正の経緯
「常時介護を必要とする状態」については、「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」(以下「本件判断基準」といいます。)が用いられていました。
しかし、改正前の本件判断基準は、主に高齢者の介護を念頭に作成されたものであり、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合には解釈が難しいケースも考え得ることから見直しが検討されました。

(2) 今回の改正内容のポイント
介護休業等の対象となる家族は、
・配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母をいい、同居の有無は問わない。
・障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合を含む。ただし、乳幼児の通常の育成過程において日常生活上必要な便宜を供与する必要がある場合は含まない。

➢「常時介護を必要とする状態」の判断基準
「常時介護を必要とする状態」とは、以下の⑴または⑵のいずれかに該当する場合であること。
(1) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」の通達に添付されているチェック項目①~⑫※のうち、状態について「2」が2つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。
(2) 介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上であること。

※通達に示されているチェック項目は例えば以下のようなものになります。

育児・介護休業法令和6年(2024年)改正内容の解説(厚労省パンフレット)より

➢チェック項目の追加
上記チェック項目の中で、以下の下線事項が追加されています。
・外出すると戻れないことや、危険回避ができないことがある。
・周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れなど日常生活に支障を来すほどの認知・行動上の課題がある。
・医薬品又は医療機器の使用・管理

 

3 コメント
介護休業制度等は、高齢者のみならず、障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合でも判断基準に該当すれば利用ができます。今回の育児・介護休業法の改正とともに従業員に周知していくことが必要となるでしょう。なお、判断基準は最低基準であり、従業員にとってより緩やかな制度とすることもできます。
ご不明な点がありましたら是非ご相談ください。

以上