読み込み中
NOW LOADING

弁護士法人天満法律事務所

TEL.

06-6365-7560
業務時間:平日9時30分~午後5時30分

弁護士法人天満法律事務所

労働問題・労働事件、使用者のための法律相談のプロフェッショナル

判例・事例紹介




    

休職者の職場復帰マニュアルのご紹介

2025年8月7日

人事院は、2025年5月に国家公務員の心の健康の問題による長期の休職者の職場復帰のために担当者が参照するマニュアル(以下「本マニュアル」といいます。)を作成しました。
今回は、民間企業においても活用できる本マニュアルのポイントをご紹介します。

1 心の不調のサイン
管理監督者(本人の直属の上司)は、職員の仕事の進め方、職場の人間関係、元々の性格傾向を把握し、通常とは違う状態が頻繁に見られるようになった場合は、心の不調のサインと考えます。
下記のような状態が見られる場合、管理監督者は、健康管理者(人事・総務部門に属する職員のうちから指名される、職員の健康管理に関する事務の主任者)や健康管理医(産業医)に情報を提供し、本人が相談しやすいよう配慮します。
①仕事上:ミス、能率の低下、など
②勤務態度:欠勤、遅刻、早退が増える、など
③対人関係:孤立、口数の減少、いらだち、飲酒による問題、など
④原因不明の体調不良:頭痛、倦怠感、肩こり、目の疲れ、不眠、など

2 休職から職場復帰の流れ

(1) 第1ステップ 休職開始及び療養中のケア
■健康管理者は、各関係者(本人、主治医、管理監督者、健康管理医等)が職場管理復帰過程の各段階において密接に連携を取り、必要な対応ができるように体制を作ります。
<留意点>
・本人には休職のタイミングで健康管理者が行う情報収集への協力が必要であること、回復の状況等について健康管理者と十分に連絡を取ることを伝えておくことが重要です。
・本人と連絡を取ることが難しい場合には、無理に本人に必要書類を手渡す必要はなく、郵送します。
・休職期間満了が違い場合は早めに(2~3か月程度前)本人と連絡を取り、職場復帰の手続の説明が必要です。
■療養中は、連絡開始時期や頻度(一般的には月1~2回程度)、手段(電話、メール、面談等)について、本人の意向を確認し、職員の負担にならないよう設定し主治医にも情報を共有することが望ましいです。

(2) 第2ステップ 主治医による復職準備の可否の判断
■主治医は、健康管理者から提供される職場復帰判定の目安等に基づき、本人が職場復帰可能かどうかの判断を行います。

(3) 第3ステップ 職場復帰可能性の判断、第4ステップ 職場復帰の決定
職場復帰判定の目安(あくまで参考であり、個々のケースに応じて総合的に判断します。)
・職場復帰及び就労に十分な意欲を有すること ・通勤時間帯に一人で安全に通勤できること
・所定の勤務時間(フルタイム)の就労が継続して可能であること
・職務に必要な作業(読書、パソコン作業、軽度の運動等)をこなすことができること
・作業等による疲労が翌日までに十分回復していること ・適切な睡眠覚醒リズムが回復していること
・昼間の眠気がないこと ・職務遂行に必要な注意力・集中力が回復していること
・再休職等予防対策が具体的に立てられていること

(4) 第5ステップ フォローアップ
■健康管理者は復帰職場の管理監督者や職場の同僚に過度な負担がかからないように支援し、職場復帰から1カ月後に本人と面談を行って適宜職場復帰支援計画を見直しながら状況を把握します。

3 コメント
本マニュアルには、各関係者が情報共有を図る際に使用する書式等や、記入例も挙げられておりますので、必要に応じてご活用ください。
また、休職・復職に関しご不明な点がございましたら是非ご相談ください。

以上