判例・事例

パワハラ~その3~評価

2012年4月20日 セクハラ・パワハラ等に関する事例・判例


1 はじめに

 業務を行う上においては、どうしても相手(部下など)に不利益な事項を確認する必要が生じる場合がありますし、また人材育成のために必要な注意・指導もあります。

 それが全て違法な「パワハラ」だとされてしまうと、企業経営に支障が生じてしまいます。

 では、どのように行えば違法な「パワハラ」であると判断されるリスクを下げることができるでしょうか。先にご紹介した、2つの裁判例から考えていきたいと思います。

2 TPOを考える

 同じ注意等を行うにしても、大勢の前で行うのと、個別に行うのとでは、相手に与えるダメージが異なります。

なるべく相手に与えるダメージが小さくなるような態様で行う必要があります。

3 大声での叱責や人格否定的な表現は避ける

 大声での叱責は、相手に対し、必要以上の威圧感を与えてしまいます。

 また、社会通念上許容されるのは、あくまでも業務に必要な範囲内での注意・指導であり、その際、あえて人格否定的な表現を用いることは何ら必要で はありませんから、このような表現を用いていた場合には、業務に必要な範囲をこえるものとして、違法な「パワハラ」であると判断されるリスクがかなり高くなります。

4 最後に

 「パワハラ」は場合によっては、被害者をうつ病等に追い込んでしまう可能性のあるものですし、また会社にとっても職場環境の悪化や社会的評価の低下、重い損害賠償責任など重大な損失をもたらしますので、なるべく予防に努めたいものです。

 そのような観点から、当事務所では、本年(平成24年)5月15日に「パワハラとメンタル不全」に関するセミナーを開催致します。

 当日は、今回ご紹介した裁判例を含むパワハラに関する様々な裁判例をもとに、会社としてはどのような点に気を付ければよいのかなどをより具体的にお話ししたいと考えております。

 これからパワハラ対策を行いたいと考えていらっしゃる企業の担当者さまなどがいらっしゃいましたら、下記セミナーへのご参加を是非ご検討下さい。(当セミナーは終了しました)

【日 時】2012年5月15日(火)午後6時~午後8時
【場 所】エル・おおさか(大阪府立労働センター)501号室
(大阪市中央区北浜東3-14 ℡06-6942-0001)
【テーマ】「パワハラとメンタル不全」
【講 師】弁護士法人天満法律事務所 所長、京都大学法科大学院客員教授 弁護士 吉田 肇
【参加費】1万円(当日、資料を配付致します。)

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