判例・事例

インボイス制度の見直し~令和5年度税制改正~

2023年8月4日 その他


令和5年10月1日から、インボイス制度が始まります。
同年4月に消費税法等の一部が改正され、インボイス制度の見直しが行われました。
今回は、改正事項のポイントについてご紹介します。

1 制度の概要
👉インボイス(適格請求書)とは
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段。請求書や納品書その他
これらに類するもの。

👉インボイス制度とは
・売手…登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付し、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります。
・買手…買手は仕入税額控除(売上に係る消費税額から、仕入れ等に係る消費税額を差し引くこと。)の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受け
たインボイスの保存等が必要になります。
※売手に事前に適格請求書発行事業者の登録申請手続が必要(課税事業者のみ登録可能)

2 令和5年度改正
(1)2割特例が適用される場合があります!~納税額を売上税額の2割に~
税負担・事務負担を軽減するために、売上税額の2割を納税額とすることができます!(事前届出不要)
対象者:インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった事業者

期間:令和5年10月1日~令和8年9月30日を含む課税期間(※個人事業者は、令和5年10月~12月の申告から令和8年分の申告まで対象)

(2)少額取引はインボイス保存不要になる場合があります!
税込1万円未満の課税仕入れについては、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入れ額控除が可能。インボイスの保存は不要です!※税込1万円未満に該当するかは1商品ごとではなく1回の取引ごとに判断します
対象者:基準期間の課税売上高が1億円以下又は特定期間※における課税売上高が5千万以下の事業者
※個人事業者:前年1月~6月までの期間、法人:原則前事業年度の開始の日以後6月の期間

期間:令和5年10月1日から令和11年9月30日までに行う課税仕入れ

(3)少額の返品や値引きについて返還インボイスの交付が不要になります!
税込1万円未満の返品や値引き、割戻しなどを行った場合には返還インボイスの交付義務が免除されます。
※全事業者対象

(4)登録制度の見直し
・登録手続
令和5年9月30日までに登録申請を提出すれば、令和5年10月1日から登録OK
登録通知が届くまでには一定の期間を要するため、申請はお早めに

・免税事業者の登録手続
免税事業者が令和5年10月2日以後にインボイス発行事業者となる場合、申請書に記載した登録希望日から登録されます。

・提出期限の見直し
①課税期間の初日から登録を受ける場合の申請書の提出期限
➡翌課税期間の初日から15日前の日まで
②翌課税期間の初日から登録を取り消す場合の取消届の提出期限
➡翌課税期間の初日から15日前の日まで

3 コメント
今回、令和5年10月1日から新たに始まるインボイス制度について見直しが行われましたが、その内容については対象者がそれぞれ異なり、自社が該当するかどうかは確認が必要となります。また、対象期間が設けられている制度もありますのでご確認ください。
                                               以上

PAGE TOP