判例・事例

育児・介護休業法が改正されました!

2024年7月5日 労働条件に関する事例・判例


令和6年5月に、育児・介護休業法が改正・公布されました。今回は改正のポイントをご紹介します。

1 柔軟な働き方を実現するための措置の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

☞事業主は、3歳以上、小学校就学前の子を養育する労働者に関して
・始業時刻等の変更
・テレワーク等(10日/月)
・保育施設の設置運営等
・新たな休暇の付与(10日/年)
・短時間勤務制度
の中から2つ以上の制度を選択して設置する必要があります。
☞事業主が選択した措置について、労働者に対して個別の周知・意向確認の措置をとる必要があります。

2 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大(施行日:令和7年4月1日)
改正前
3歳に満たない子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働の制限(残業免除)を受けることが可能

改正後
小学校就学前の子を養育する労働者が請求可能に

3 テレワークの導入(施行日:令和7年4月1日)
3歳に満たない子を養育する労働者が、テレワークを選択できるように措置を講ずることが、事業主に努力義務化されます。

4 子の看護休暇の見直し(施行日:令和7年4月1日)
改正前◆◆◆
【対象となる子の範囲】
 ・小学校就学の始期に達するまで
【取得事由】
 ・病気・けが
 ・予防接種・健康診断
【労使協定の締結により除外できる労働者】
 ⑴引き続き雇用された期間が6か月未満
 ⑵週の所定労働日数が2日以下

◆◆◆改正後
【対象となる子の範囲】
 ・小学校3年生修了までに延長
【取得事由】
 ・感染症に伴う学級閉鎖等
 ・入園(入学)式、卒園式を追加
【労使協定の締結により除外できる労働者】
 ⑴が撤廃され、⑵のみに

5 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)
妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取(省令により面談や書面交付等とされる予定)・配慮(具体例は指針で示される予定)が事業主に義務付けられます。

6 育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大(施行日:令和7年4月1日)

7 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、雇用環境整備等の義務化(施行日:令和7年4月1日)
・介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認等の措置
・介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供
・仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備
・要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう事業主に努力義務
・介護休暇について、引き続き雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止

【コメント】
今回の改正によって、育児・介護に関する事業主の義務が拡大されたことにより就業規則等の改訂が必要になることが考えられますので、ご不明な点がございましたら是非ご相談ください。
具体的措置の内容については今後省令・指針等で明らかにされていく予定です。
                                              以上

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