判例・事例

【法改正情報】育児・介護休業法が改正されました!

2021年7月7日 労働条件に関する事例・判例


本年6月に育児・介護休業法が改正されました。来年(令和4年)4月1日から段階的に施行されます
(詳細は各項目ご参照)。今回はその概要をご紹介したいと思います。

1 男性の育児休業取得促進のための新制度(出生時育児休業)の創設
【施行日:公布日から1年6月以内で政令で定める日。令和4年10月頃の見込み】

現行の育児休業制度に加えて、以下の子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みを創設。

◎出生時育児休業のPoint◎
①子の出生後8週間以内に、最大4週間取得可能。分割して2回取得可能。
②申出期限は原則休業の2週間前まで(例外:申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備等につき、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取組の実施を労使協定で定めている場合は1か月前までとすることが可能)
③労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することが可能

【具体的な流れ】

労働者 休業中に就業してもよい場合は事業主にその条件を申出
         ↓
事業主 労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示
         ↓
労働者が同意した範囲で就業(事業主が一方的に就業を強制はできない!)

✓開始予定日の前日までに労働者の同意を得るところまで行う必要あり。
✓就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)が省令で定められる予定。
✓出生時育児休業についても育児休業給付の対象となる。なお休業期間中の就業日数等は、現行の育児休業給付と同等の水準(4週間の休業を取得した場合10日・80時間の範囲内)に設定される予定。

2 育児休業を取得しやすい雇用環境整備、(本人または配偶者が)妊娠・出産したこと等を申し出た労働者に対する個別の周知・意向確認の措置が使用者の義務に【施行日:令和4年4月1日】

✓雇用環境整備=育児休業に係る研修、相談体制の整備、その他(省令で定める)からいずれかを選択
✓個別周知の方法=面談での制度説明、書面等による制度の情報提供等の複数の選択肢(省令で具体的に定められる予定)からいずれかを選択。
✓育児休業の取得を控えさせるような形での周知及び意向確認実施はNG(指針で示される予定)。
✓措置義務に違反し勧告を受けても従わない場合は、企業名の公表も可能。

3 育児休業を分割して取得することが可能に+1歳以降の期間途中での夫婦交代が容易に
【施行日:1と同じで、令和4年10月頃の見込み】

●改正前
①1歳まで:原則分割取得不可
②1歳以降に延長する場合:育休開始日は1歳、1歳半時点に限定(→各期間途中で夫婦交代不可)

●改正後
①1歳まで:(出生時育児休業とは別に)分割して2回まで取得可能に
②1歳以降に延長する場合:育休開始日を柔軟化(→各期間途中でも夫婦交代可能に)

4 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和【施行日:令和4年4月1日】

●改正前
(育児休業の場合)
①引き続き雇用された期間が1年以上
②1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

●改正後
①の要件を撤廃し、②のみに。
ただし、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者については労使協定の締結により除外可=無期労働者と同様の取扱いに。

5 育児休業取得状況の公表が義務に(従業員数1000人超の企業)【施行日:令和5年4月1日】

◎実務上の主なPoint◎
その1 1の出生時育児休業中の就業や、4の引き続き雇用された期間が1年未満の労働者(有期)の除外等、労使協定の締結が要件となるものがあるので、検討の上、施行日前に対応しておく必要あり。
その2 (省令も踏まえ)雇用環境整備、個別周知・意向確認の方法等を具体的に検討する必要あり。
その3 特に男性の育児休業取得の増加を前提に、業務に支障が生じないよう対応を検討しておく必要あり。

なお、育児・介護休業規程の改正も必要になりますので、必要に応じご相談いただければ幸いです。

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